3.2.3 製造(製品情報共有化による部門間共同作業)
シナリオ
■舶用機器メーカの基本設計部門では、基本設計を終え承認を受けた機器の外形図、組立図、回路図、基板図と機器の製品構成情報(部品構成)等がPPDM(Process&Product Data Management:プロセス製品情報統合管理)で統合管理されている。これらの製品構成情報とCAD図面を詳細設計部門に引継いで詳細設計を開始する。
■この舶用機器メーカでは、基本設計部門は国内、詳細設計・製造部門は海外にあっても、異なるPPDMでそれぞれ製品情報を管理している。しかし、製品情報交換の国際規格STEPAP203(ISO10303−203)に準拠して製品情報を交換することにより、CAD図面のみでなく、構成情報を含む製品情報全体が異なるPPDM間で正しくスムーズに引継ぐことができる。
■詳細設計部門では、PPDMで管理されているCAD図面、設計規格、技術資料等の広範囲の関連技術情報を機動的に検索・参照しながら設計を進める。
■詳細設計が終わると、設計部門内のレビューと同時並行して製造部門からも生産設計の観点から製造部門レビューを実施し、設計の早い段階で製造上の課題を洗い出す。
■製造部門では、設計部門のPPDMに格納された図面をレビューした結果、材料変更のコストダウンの設計改善提案をし、詳細設計部門では、速やかに設計改善を実施する。
業務効果
■製品情報全般をデジタルデータで直接、正確に引継ぐことが可能となり、設計納期の短縮が図れる。
■設計の源流で製造工程を配慮した設計が可能となり、部品の標準化とあいまってコストダウンが実現できる。
■広範な関連情報を自在に参照でき、これらを盛込んだ設計が可能となり、設計品質を向上できる。
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